2006年 03月 19日
ヤバイと辛イは似てる |
子供の頃は『キャラメルコーン』より、断然『カラムーチョ』や『ハートチップル』派だった。甘いものよりは塩っぱいもの、塩っぱいものよりは辛いものが好きで、当然カレーは『ジャワカレー』の辛口。友達が食べている『レーンボーカレー』(甘口の子供向けカレー。レインボーじゃないところが別の意味でスゴイ )を、「それはゲロの味」と言い放って殴られたのも今はいい思い出。
でも好きなことと得意なことは違うわけで、酒を飲むのは好きだけどすぐ酔っちゃう、みたいな人も沢山いたりする。
そして自分もそうなのではと感じ始めたのは、ボルネオ旅行でスチームボートを食ったときだった。他の料理もあったのだが、辛いのが旨いのと好みのものを選んで食えるのとで、毎晩スチームボートばかり食べていた。
そして3日目の晩に高熱を出して寝込んだ。
アホだとは思うけど辛いのが好きだった。
日本に帰ってきてからもスチームボートの店に行ってたりして、やっぱり寝込んだ。
余談だけどそこの店はほんとに辛くて、隣で食べていた女の子が「舌痛い。味わからない」と絶叫していた。新宿の東口のエラワンという店だけど、今でもあるのかな。
他にも辛いので有名なインド料理の食べ放題に行くと、必ず寝込んだ。
アホでも繰り返せば学ぶわけで、辛いものが好きなだけで得意なわけじゃない、ということに気づいてからは極端に辛いものは意識して避けるようにしていた。
蒙古タンメン中本。
「癖になるほど旨いらしい」
「友人の嫁が、結婚記念日にプレゼント代わりに所望するほどの味らしい」
「辛いけど激ウマらしい」
友人に2週間くらい囁かれ続け、仕方がないので行ってみた。
ちなみこの人、飯を食うとき他人の好みに頓着しない。
自分の好きなものだけを目指して店を選ぶ。
自分が旨いものを食うためなら、それが他人にとって毒であろうと気にしない。
蒙古タンメン中本。
夕方だったせいか、客は店からあふれ階段を埋め尽くすほどの大行列だった。
これなら大丈夫かも。
ちょっと安心した。
辛いだけの店なら行列なんて出来ないだろうし、辛くても旨いなら大歓迎だ。
店の中は見えない唐辛子の微粒子が花粉のように舞っているらしく、5分もすると鼻の奥に軽い疼痛を覚え始めた。
心の青ランプが黄色に変わった。
空気が辛い店なんて初めてだ。
とりあえずあまり辛くなさそうな味噌タンメンを選んだ。何も食っていなかったので、半盛りの蒙古丼も追加する。
ふたつのドンブリはすぐにきた。
思ったほど赤くない。
普通にスープをすすってみる。
喉がつねられた。
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ
頭の中を半角3文字が埋め尽くす。
半端なく辛い。
旨みもあるし味もいい。麺も好みだ。
でもでも。
これはダメだ。
寝込む。
また熱出る。
となりのチンピラ風の男は、辛さMAXのつけ麺をメールを打ちながら事も無く啜っている。
あとから来たカップルは、この店の頂点を極める北極麺を二つ大声で頼んでいた。
アリエナイアリエナイアリエナイアリエナイアリエナイアリエナイアリエナイアリエナイアリエナイアリエナイ
みんな普通に食ってる。
自分が頼んだのは、下から2番目の辛さだと言うのに。
なのにこの辛さなのに。
食べきれないかもしれない。
涙が出た。
汗を拭いているふりをして、涙をぬぐった。
あごが痙攣した。
食事中に涙が出たりあごが震えたりというのは初めての体験だった。
必死に食った。
髭の親父が
「辛くて食べきれませんでした」
では、末代まで嘲笑される。
何度も魂が抜けそうになりながら、なんとかプライドだけで食べきった。
店を出たときには行列がさらに長く伸びていた。
やっぱりここ旨いんだ、と思う。
確かに味はよかった。
でも自分は味わって食う余裕はなかった。
食事の前に『ミュンヘン』を観ていたのだが、あまり内容が思い出せない。
面白かったはずなのに。
他人の不幸より自分の不幸ということなのだろう。
明日トイレに行くのが、いまから不安だ。
というか寝込んだらどうしよう。
でも好きなことと得意なことは違うわけで、酒を飲むのは好きだけどすぐ酔っちゃう、みたいな人も沢山いたりする。
そして自分もそうなのではと感じ始めたのは、ボルネオ旅行でスチームボートを食ったときだった。他の料理もあったのだが、辛いのが旨いのと好みのものを選んで食えるのとで、毎晩スチームボートばかり食べていた。
そして3日目の晩に高熱を出して寝込んだ。
アホだとは思うけど辛いのが好きだった。
日本に帰ってきてからもスチームボートの店に行ってたりして、やっぱり寝込んだ。
余談だけどそこの店はほんとに辛くて、隣で食べていた女の子が「舌痛い。味わからない」と絶叫していた。新宿の東口のエラワンという店だけど、今でもあるのかな。
他にも辛いので有名なインド料理の食べ放題に行くと、必ず寝込んだ。
アホでも繰り返せば学ぶわけで、辛いものが好きなだけで得意なわけじゃない、ということに気づいてからは極端に辛いものは意識して避けるようにしていた。
蒙古タンメン中本。
「癖になるほど旨いらしい」
「友人の嫁が、結婚記念日にプレゼント代わりに所望するほどの味らしい」
「辛いけど激ウマらしい」
友人に2週間くらい囁かれ続け、仕方がないので行ってみた。
ちなみこの人、飯を食うとき他人の好みに頓着しない。
自分の好きなものだけを目指して店を選ぶ。
自分が旨いものを食うためなら、それが他人にとって毒であろうと気にしない。
蒙古タンメン中本。
夕方だったせいか、客は店からあふれ階段を埋め尽くすほどの大行列だった。
これなら大丈夫かも。
ちょっと安心した。
辛いだけの店なら行列なんて出来ないだろうし、辛くても旨いなら大歓迎だ。
店の中は見えない唐辛子の微粒子が花粉のように舞っているらしく、5分もすると鼻の奥に軽い疼痛を覚え始めた。
心の青ランプが黄色に変わった。
空気が辛い店なんて初めてだ。
とりあえずあまり辛くなさそうな味噌タンメンを選んだ。何も食っていなかったので、半盛りの蒙古丼も追加する。
ふたつのドンブリはすぐにきた。
思ったほど赤くない。
普通にスープをすすってみる。
喉がつねられた。
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ
頭の中を半角3文字が埋め尽くす。
半端なく辛い。
旨みもあるし味もいい。麺も好みだ。
でもでも。
これはダメだ。
寝込む。
また熱出る。
となりのチンピラ風の男は、辛さMAXのつけ麺をメールを打ちながら事も無く啜っている。
あとから来たカップルは、この店の頂点を極める北極麺を二つ大声で頼んでいた。
アリエナイアリエナイアリエナイアリエナイアリエナイアリエナイアリエナイアリエナイアリエナイアリエナイ
みんな普通に食ってる。
自分が頼んだのは、下から2番目の辛さだと言うのに。
なのにこの辛さなのに。
食べきれないかもしれない。
涙が出た。
汗を拭いているふりをして、涙をぬぐった。
あごが痙攣した。
食事中に涙が出たりあごが震えたりというのは初めての体験だった。
必死に食った。
髭の親父が
「辛くて食べきれませんでした」
では、末代まで嘲笑される。
何度も魂が抜けそうになりながら、なんとかプライドだけで食べきった。
店を出たときには行列がさらに長く伸びていた。
やっぱりここ旨いんだ、と思う。
確かに味はよかった。
でも自分は味わって食う余裕はなかった。
食事の前に『ミュンヘン』を観ていたのだが、あまり内容が思い出せない。
面白かったはずなのに。
他人の不幸より自分の不幸ということなのだろう。
明日トイレに行くのが、いまから不安だ。
というか寝込んだらどうしよう。
by odenguri
| 2006-03-19 18:42
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